【Mardaani 2】

監督:ゴーピー・プトラン Gopi Puthran
出演:ラーニー・ムカルジー、ヴィシャール・ジェートワー、ジーシュー・セーングプタ、ラジェーシュ・シャルマー

トレイラー

ストーリー
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シワーニー・シヴァージー・ローイ(ラーニー・ムカルジー)は警視に昇進し、とあるインドの地方都市の警察署に署長として赴任する。その後まもなくしてその町で若い女性を狙ったレイプ殺人事件が発生する。被害者を拷問した挙句に強姦し、さらには遺体にまで加虐する異常な犯罪だった。シワーニーはテレビでの会見で犯人を非難し、絶対に逮捕すると宣言する。

シワーニーの発言を挑発と受け取った犯人は彼女を敵視し、やがて彼女の周りで奇怪な事件が起こり始める。そして、さらには第2、第3の事件が発生する。
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ラーニー・ムカルジーがタフな女性警官を演じた【Mardaani】(2014)の続編。インド映画ではむしろ珍しく、時間的に前作の後に続く本当の意味での「続編」です。前作では警部だった主人公が警視に昇進して地方都市の警察署長になっています。そこで発生した猟奇殺人の犯人と主人公との熾烈な戦いが本作のテーマです。

前作がヒットしたのは犯人との素手での殴り合いのようなこれまでのインド映画では男性のヒーロー役がやってきたことをやり遂げてしまう女性キャラクターにインパクトがあったこと、さらにその役をこれまで格闘はおろかアクションすらほとんどやったことがないラーニー・ムカルジーがやったということもあります(キャラの性格だけであれば【No One Killed Jessica】(2011)のジャーナリスト役にその先駆けがあるでしょうか)。また、ただ単に「強い女性」の作品というだけでなく、女性が「ヒーロー」であるときに家族との関わりはどうなるのかといった細かいところにも目を配った良い作りだったこともあります。

続編の本作はアクション・スリラーとしては前作からパワーアップし、よりスリリングな作品になっています。その原因の1つは強烈な悪役の存在です。前作の悪役ターヒル・ラージ・バシーン演じる人身売買組織の長は冷徹な計算のもとに行動するタイプだったのに対し、今回の敵は悪魔的な猟奇殺人鬼で、ときには主人公たちの思いもよらない大胆な行動に出て翻弄します。いろいろな意味で本当に「ヤバイ奴」でした。

強力な敵との戦いスリラーとしては面白くなった一方で、あまりにも犯人が強力かつ異常なため、あまりに現実離れしていました。警察署長で女性である主人公に挑戦するため変装して警察署の奥の奥にまで入り込んだり、主人公の自宅に忍び込んだりします。こうした犯人の異常性は恐ろしさを醸しだしていたのは確かですが、さすがに出来すぎだろうという気もしました。

主人公が署長として赴任したせいで、部下となったベテラン男性警部との関係が面倒なことになったりというエピソードはありますが、メインとなる事件以外の部分は前作に比べて扱いが小さくなっていました。たとえば主人公は単身赴任であるため家族のことは気にせず(犯人などから守る必要なく)に犯人との戦いに専念できるのはいいですが、作品としては深みがなくなってしまいました。唯一、女性上司が赴任してきたことに反発する男性警官の話は現実味があって面白かったのですが、もう少し掘り下げてほしい気がしました。

シリーズのタイトルである「mardaani」は「男性的」、「男らしい」という意味ですが、ある詩人がジャーンシーのラクシュミー・バーイーに使ったように「男まさり」の意味があり、前作【Mardaani】ではタイトルどおり、「女性が強くあること」の意味が問われていました。ところが【Mardaani 2】は前作よりもアクション、サスペンスとしての質は上がりましたが、肝心の「女性が強くあること」の意味を問うというメッセージ性は後退してしまったようでした。

それでもラーニー・ムカルジーは前作に劣らずかっこいいし、敵役のヴィシャール・ジェートワーはこれ以上ないほどに邪悪です。この2人のガチ対決はやはり見応えがありました。キャラクターのパワーに圧倒されながら観る作品です。

音楽
【Mardaani 2】はプロモ・ソングを含めて曲がまったくないという珍しい作品です。

ラーニー・ムカルジー  シワーニー・シヴァージー・ローイ役

前作では自宅でのトレーニング・シーンがあったりと、従来の女性主人公とはまったく異なる「家庭的な」一面があったりして面白かったのですが、本作ではそうした面はなくなっています。しかし、アクションを含めた警察官の「本業」は前作よりもパワーアップ。やはりラーニー・ファンには見逃せません。


ヴィシャール・ジェートワー
  サニーことシヴ役

テレビ俳優で映画への出演は本作が初めて。テレビでは歴史物への出演が多かったようです。本作での残虐、狡猾な悪役は強烈な印象を残しました。あまりに強烈なのでこれから別の役が付くのか心配になるくらいです。

 

 

本作公開の少し前、ハイデラバードで女性が拉致され、強姦のあと遺体を焼かれて遺棄されるという事件が起きました。【Mardaani 2】の内容と酷似した事件なだけに、本作への影響が心配されました。しかし、ハイデラバードの事件は警察が逮捕した容疑者4人を現場検証に連れ出し、拳銃を奪って逃走を図ったとして全員を射殺するという映画も顔負けの結末を迎えています。

本作はトレイラーの段階では舞台がラージャスターン州コーターと実名で設定されていましたが、レイプ殺人がテーマの本作の舞台とされるのは町のイメージを損なうとしてコーターの住人による抗議運動が起きました。それを受けて制作者サイドは舞台を架空の都市に変更されています。

【Mardaani 2】
パワーアップしてやはりかっこいい「ラーニー=シワーニー」を見たい人、悪役の邪悪ぶりを確かめてみたい人、おすすめです。

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