【Housefull 4】

監督:ファルハド・サムジー Farhad Samji

出演:アクシャイ・クマール、リテーシュ・デーシュムク、クリティ・サノーン、ボビー・デーオール、プージャー・ヘーグデー、クリティ・カルバンダー

2019年10月25日公開

トレイラー

ストーリー
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ロンドンで理容室を営むハリー(アクシャイ・クマール)とその仲間ローイ(リテーシュ・デーシュムク)、マックス(ボビー・デーオール)の3人組は、ある出来事をきっかけに富豪の娘3人と結婚することになる。彼らが結婚式の会場に選んだインド・シタムガルにある古城ホテルに到着すると、ハリーはなぜか過去の幻影を見る。

時代は1419年、他の城からシタムガル城に逃げ延びてきたバーラー・デーヴ(アクシャイ・クマール)は城の男2人とともに、マハラジャの娘3人と結婚することになるが、陰謀に巻き込まれて悲劇的な最期を遂げる。

ハリーは幻影の意味を理解した。ハリーたち3.人、そして結婚相手の3人は600年前からの生まれ変わりだったのだ。そして現代でハリーたちはそれぞれ600年前とは違う、「間違った」相手と結婚しようとしているのだった。ハリーは結婚の組み合わせを正そうとするが・・・・
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大人数(ハウスフル=満員)コメディ・シリーズ第4弾。今回はなんと「転生モノ」として現在と過去が平行で舞台になります。シリーズ・レギュラーのアクシャイ、リテーシュ、チャンキー・バーンデー、ジョニー・リーヴァルらは健在。

当初、シリーズの1、2作目を監督したサージド・カーンがセクハラを告発されて降板、3作目の共同監督の1人だったファルハド・サムジーが監督を引き継ぎました。

もともと「Housefull」シリーズは、アクシャイ・クマールが主演していることからもわかるように決して規模の小さな作品ではなかったのですが、それでも製作費のほとんどは出演者(人数多い)のギャラと海外ロケ費用になってしまうのか、セットなどに金がかかっていない印象がありました。

ところが4作目となる本作では一転、『バーフバリ』や『パドマーワト』を思わせるセットとGCで歴史パートを作ってきました。しかし、その目的たるやそれらの歴史大作のパロディをするためと、後半のコメディ・パートのお膳立てをするためだけです。映画製作だからこそ許される無駄遣いでしょう。さらにラーナー・ダッグバーティー、ナワーズッディーン・シッディーキーという強力な助っ人も登場します。そのため前半の歴史部分はコメディとしては若干弱いものの、その豪華さ(豪華なバカバカしさ)で魅せてしまいます。

後半の現代部分は前半でのお膳立て(カップルの組み合わせがズレちゃった、というだけ)を使ってのコメディが展開します。アクシャイ演じる主人公だけが過去の真相を知り、現代での「誤り」を修正しようとしますが、それはつまり他人の彼女に言い寄ることであり、また他のカップルを別れさせることであるため混乱を引き起こします。その混乱がコメディの中心です。さほど緻密な設定とはいえませんが、力業のギャグで押し通すにはこれくらいで十分でしょう。

アクシャイ、リテーシュ、チャンキー・パーンデー、ジョニー・リーヴァルらシリーズ・レギュラーの演技はさすがに安定していました。女性陣は美しさでは際立っており、ダンスシーンなどは映えましたが、もっと際どいコメディをやらせてもよかったのではないかと思います。敢えてやらせなかったのでしょうか。本来、美女がコメディできたら無敵なはずなのですが。また、ただのゲストかと思っていたラーナー・ダッグバーティーは意外と出番も役割も多くありました。

歴史映画顔負けのセットの豪華さ、ゲスト俳優に普段とは違うことをさせる意外性、コメディ・センスのある主役、脇役の個人技、美女を揃えたヒロインなど、とにかく物量作戦と力業で攻めるコメディ作品でした。

音楽

大人数による豪華な音楽シーンが多いです。

「Ek Chumma」

「Chammo」

「The Bhoot Song」

ナワーズッディーン・シッディーキーにこんなことをやらせるだけですでに合格点。

 

ハウスフルな本作、とても全員の紹介は無理なので、顔ぶれが一新したヒロイン中心に。

 

アクシャイ・クマール  バーラー/ハリー役
【Kesari】【Mission Mangal】に続く今年3本目の主演作。さらに年末に【Good Newwz】があります。他のトップスターが年1本あるかないかという時代に異例の働きぶりです。【Housefull】シリーズはもう卒業でいいかとも思いましたが、本作を観てみるとやはりアクシャイじゃなきゃダメかもと思ったり。

 

クリティ・サノーン   マドゥー王女/クリティ役
【Barelly Ki Barfi】(2017)、【Luka Chuppi】(2019)などですでに安定した地位にいるため、マルチキャストでも余裕がありました。

 

 

 

プージャー・ヘーグデー マーラー王女/プージャー役
ヒンディー映画デビュー【Mohenjo Daro】(2016)は大コケしたものの、その美人ぶりは評価されました。本作でもやはり美人でした。ただ、次につながるところまで行ったかというとちょっと怪しいです。もちろん、また他でも観てみたいですが。

 

 

 

 
クリティ・カルバンダ  ミーナー王女/ネーハー役
実はクリティ・サノーンよりも前から南インド映画に出ており、ヒンディー映画も【Raaz: Reboot】(2016)でデビューしているクリティ・カルバンダ。しかし、それにしてはあまり知られていませんでした。ちょっと地味な感じでしたが、本作でゴージャスなところを見せられてよかったのではないかと思います。

 

 

 

ラーナー・ダッグバーティー / ナワーズッディーン・シッディーキー
『バーフバリ』のラーナー、現在最高の演技派俳優の1人ナワーズッディーンを特別出演させたうえ、こんな格好をさせてしまいます。もっとも、ラーナーは現代編でもそれなりに重要な役割がありましたが。

リテーシュ・デーシュムクはシリーズ・レギュラーとして安定。ボビー・デーオールはまあこんなもん。過去では王様、現代ではヒロイン3人の父親役はランジート。往年の悪役スターです。

過去から現代への転生は、カップルが入れ違ってしまったことを除くとすべて順調ですが、ただ1人、過去では侍女だったギグリーが現代では男性のホテル支配人チャーチゲートになってしまっています。実はこれには仕掛けがあって、チャーチゲート(ジョニー・リーヴァル)とギグリー(ジェイミー・リーヴァル)はリアルの父娘。娘もコメディアンをやっています。

【Housefull 4】

「転生歴史コメディ」を観てみたい人、ハウスフル・シリーズのファンの人(いれば)、プージャー・ヘーグデーの大胆シーン(釣り)が見たい人、おすすめです。

 

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