【Good Newwz】

監督:ラージ・メヘター Raj Mehta
出演:アクシャイ・クマール、カリーナー・カプール、ディルジート・ドーサンジ、キアーラー・アードヴァーニー、アーディル・フサイン

2019年12月27日公開

トレイラー


ストーリー

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ヴァルン(アクシャイ・クマール)とディープーことディープティー(カリーナー・カプール)のバトラ夫妻はムンバイに住む共働きの夫婦。夫婦仲は悪くないが子供ができないのが悩みのタネだ。妊活に熱心なディープーとさほど熱心ではないヴァルンとの間には微妙な温度差もある。

ある日2人はヴァルンの妹夫婦に勧められた不妊治療エキスパートのジョーシー医師(あーディス・フサイン)にかかることにする。病院を訪れた2人にジョーシー医師が勧めたことにより、2人は体外受精(IVF)による出産を決意する。2人は病院で同じ苗字を持つハニー(ディルジート・ドーサンジ)とモーニーことモニカ(キアーラー・アードヴァーニー)のバトラ夫妻に出合う。その時は単なる偶然と気にしなかった2人だが・・・

その後ヴァルンとディープーのもとにジョーシー医師から「大変な間違い」が起きたとの知らせが届く。病院に駆け付けた2人ジョーシー医師が告げたところでは、IVFでヴァルンの精子と同じ苗字を持つハニーの精子を取り違え、違う相手に授精してしまったのだという。しかも、ディープーとモニカは受胎に成功する。このままでは2人とも夫のではない子供を出産することになる。大いに悩む4人。どうする?
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不妊治療の体外受精で2組の夫婦の精子を取り違えたというとんでもない設定のコメディです。出演はアクシャイ・クマール、カリーナー・カプール、ディルジート・ドーサンジ、キアーラー・アードヴァーニー。アクシャイとカリーナーは歌への特別出演を除くと【Kambakkht Ishq】(2009)以来の共演になります。

奇抜な設定や変わったキャラクターからスタートしながらも、最後は優れたドラマとして終わらせるというインド映画お得意の展開でした。性格も子供に対する思いも異なる4人があれこれと絡み合い、ときに対立しながらも最後にはわかり合うところも王道です。

4人の違いは他人の子供を妊娠するという異常事態の受け止め方に最もよく現れます。アクシャイ・クマール演じるヴァルンはもともと子供嫌いのところがあり、今回のアクシデントにも最初は中絶という選択肢も含めて考えます。カリーナー・カプール演じるディープティーは自分のお腹にいる子だということで愛しく思いますが、やはり夫の子でないことは気になります。ディルジート・ドーサンジ演じるハニーは妻のお腹にいる子も大事ですが、他人のお腹にいる「自分の子」も同じくらい大事なようです。キアーラー演じるモニカは自分のお腹の子は神様からの授かりものと考え、誰が父親かなどは考えずにひたすら愛します。

こんな4人なので、生まれた子供をどうするかについて意見がかみ合うはずはありません。特にハニーは他人の妻のお腹にいても「自分の子」なので、いろいろ世話を焼くと同時に将来は歌手にすると決めつけたりしてまたまた争いのタネになります。そんな彼らですが、実際に2人の出産を経験して少しずつ変わっていきます。その心情の変化の描写がこの作品の核になります。子供ができるといろいろ変わると言いますが、はたしてそれが「他人の子」でもそうなのでしょうか。

久々に共演のアクシャイとカリーナーですが、本作では常識をわきまえた(わきまえているはずの)ミドルクラスの夫婦の役。長らく共演がなかったとは思えないほどぴったりと息が合っていて文句なし。ディルジート・ドーサンジは基本的にはボケながら、ここぞでいいところを見せる得意な役でこれまた納得。キアーラーもいままでの大人しい役を乗り越えるちょっとおバカな、でも4人のうち最も純真な優しい役で、役柄が大きく広がった感じです。

キャストから悪い作品になるはずはないと思っていましたが、ここまでの傑作と予想しませんでした。安定のキャストとよく出来たストーリーでボリウッドの王道の人情ドラマを楽しめる作品です。

音楽
ディルジートとキアーラーのカップルがコテコテのパンジャービーという設定もあり、音楽もバングラ色が強くなっています。

「Chandigarh Mein」

「Laal Ghaghra」

「Sauda Khara Khara」

 

アクシャイ・クマール  ヴァルン・バトラ役

今回のアクシャイは【Jolly LLB 2】(2017)や【Pad Man】(2018)の「いいひと」とは違い、皮肉屋でおまけに子供はあまり好きではないという役。かつて似たような役を【Heyy Babyy】(2007)(『スリーメン&ベビー』)でやったことがあります。ただ1カ所、キアーラー演じるモニカについてひどく笑う場面、あれはなんか別の作品のキャラが紛れ込んだようでちょっと違和感がありました。


カリーナー・カプール
  ディープティ「ディープー」バトラ役

4人の中では一番心理描写が丁寧な役で、その意味では本作の中心と言っていいでしょう。それができるのはさすがにカリーナーでした。

 

 

 

ディルジート・ドーサンジ  ハニー・バトラ役

ヒンディー映画には【Udta Punjab】(2016)や【Phillauri】(2017)などシリアスな作品で売れましたが、元はラブコメ大好きパンジャービー映画出身。今回でようやくコメディでヒットが出ました。

 

 

キアーラー・アードヴァーニー  モニカ「モーニー」バトラ役

元々整った顔立ちの美人で、しかも昨年【Kabir Singh】(2019)の大ヒットで大人しい役が定着してしまうかと思われたそのとき、本作のはっちゃけた役を持ってくるとはさすがに何か持っています。トップクラスに向けていい軌道修正でした。

 

とんでもない間違いを犯す病院の医師2人にアーディル・フサイン、ティスカー・チョープラーの両ベテラン。いいサポートになっていました。

【Good Newzz】
ボリウッドの良質コメディを観たい人、絶妙のストーリー展開を楽しみたい人、おすすめです。

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