【Pagalpanti】

監督:アニース・バズミー Anees Bazmee
出演:ジョン・エイブラハム、イリヤーナー・デクルーズ、プルキト・サームラート、クリティ・カルバンダー、アニル・カプール、アルシャド・ワールシー、ソウラーブ・シュクラー、ウルヴァシー・ラウテーラー

2019年11月22日公開

トレイラー

 

ストーリー

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ロンドンに住むラージ(ジョン・エイブラハム)、ジャンキー(アルシャド・ワールシー)、チャーンドゥ(プルキト・サームラート)の3人組はビジネスで成功しようと様々な商売に手を出すが、持ち前の間抜けさが災いし、どれも上手くいかない。あるときギャングのドン、ラージャー・サーヘブ(ソウラーブ・シュクラー)から娘のジャーンヴィー(クリティ・カルバンダー)への贈り物の配達を請け負ったが、配達途中でめちゃめちゃに壊してしまう。3人に弁償する金があるはずもなく、3人はラージャーとその仲間Wi-Fiバーイー(アニル・カプール)の下で危険な仕事をやらされることになる。

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【No Entry】(2005)、【Welcome】(2007)、【Singh Is Kinng】(2008)など2000年代の代表的コメディ監督、アニース・バズミー監督の新作で、監督お得意のマルチ・キャスト・コメディです。

主演は最近はシリアス作品への出演ばかりだったジョン・エイブラハムが久々のコメディ。バズミー監督作品常連のアニル・カプールや、コメディ専門俳優アルシャド・ワールシー。ヒロインにイリヤーナー・デクルーズ、【Housefull 4】(2019)とコメディ掛け持ちのクリティ・カルバンダー。

基本的には善人の主人公(たち)が何かを企んだり、何かで失敗たりして、そのためにウソをつくことがきっかとなって事件が事件を呼んで拡大し、事があらぬ方向に進んで大勢を巻き込む大騒ぎになるというのがバズミー監督作品の基本構成で、それは本作【Pagalpanti】でも同じです。こうした登場人物は天然ボケ・タイプが多いのですが、本作はタイトル「Pagalpanti(バカ)」なだけあって特にバカばかりという気がしました。

バズミー監督自身は昔と変わらない作品を作っているのかもしれませんが、流行は移り変わるもの。さすがにこのスタイルのコメディには古臭さを感じました。おバカや奇抜な人物による単発のギャグが連続するだけで全体を通したストーリーが弱いのでは途中で飽きが来ます。たとえば猛獣のシーン。ただ、猛獣(ライオン)出てきて皆が逃げ回るのがおかしいという理由だけで、無理やり登場させています。

最近のボリウッドではヒットしたコメディ作品はシリーズ化されます。現在続いている【Golmaal】シリーズはしっかりしたストーリーを入れているし、【Housefull】シリーズも最新の【Housefull 4】(2019)は転生モノにしています。1~2作で決めるわけにはいきませんが、この作風のままではあまり先はないような気がします。

ただ、わりと出演者は楽しそうにやっている感じがして(これは本当のところは観客にはわかりませんが)、その点は良かったです。コメディ久々のジョン・エイブラハムやマイペースで出演作を選んでいるイリヤーナー・デクルーズなどは気楽にやっているようで、こちらも気負わずに観ることができました。

なんだかんだ言っても、つまるところはおバカなコメディ。気楽に楽しみましょう。

音楽
【No Entry】(2005)、【Welcome】(2007)のタイトルソング、【Singh Is Kinng】(2008)の「Teri Ore」、【Ready】(2011)の「Dhinka Chika」など、アニース・バズミー監督作品には内容はおバカでも非常にキャッチーなヒット曲が伴っていました。しかし、本作では「Walla Walla」、「Bimar Dil」などヴィジュアルには見るべきところがありますが、音楽的にヒットしそうもない曲ばかりです。

「Thumka」

「Walla Walla」

「Bimal Dil」

お化けコス・ソング。しかし、誰もウルヴァシー・ラウテーラーには敵いません。

 

ジョン・エイブラハム  ラージ役

ジョン自身も「最近はシリアスな作品が続きすぎた」と言っているくらいで、コメディへの出演はバズミー監督の【Welcome Back】(2015)以来。ここできっちりと路線の修正を図ってくるところは、バランス感覚に優れた人なのだと思います。

 

 

アニル・カプール  Wi-Fiバーイー役

こちらは【No Entry】(2005)以来バズミー監督作品の常連で、その流れでの出演。今年はヒットした【Total Dhamaal】(2019)とコメディが2本になりましたが、万能俳優なので「コメディもやってる」という感じ。

 

 

イリヤーナー・デクルーズ  サンジャナー役

美女タイプの女優ですが結構コメディいけます。本作などはコメディエンヌとして貫禄がありました。

 

 

 

 

クリティ・カルバンダー  ジャーンヴィー役

【Housefull 4】(2019)への出演でようやく大作に出演するようになりましたが、ここで頑張らないとマルチ・スター映画女優で終わってしまう危険も。本作ではちょっと頭の足りない感じの役でまずまず良かったですが、もっと突き抜けても良かったかも。

 

 

アルシャド・ワールシーはいつもの調子でまったく問題なし。プルキト・サームラートはジョンとアルシャドの間であまり目立てませんでした。逆にウルヴァシー・ラウテーラーは外見で目立ってましたが、例によって役にあまり意味がありませんでした。

【Pagalpanti】
いまや絶滅危惧種のコメディが見たい人、おバカ・コメディは気が楽だという人、ジョンはおバカな役のほうがいいと思う人、おすすめです。